「重い」というイメージがつきまとう鋳物ホーロー鍋。購入を前に「ストウブとル・クルーゼ、どっちが重い?」「この重さが本当に必要?」と悩んでいませんか?
実は、この重さこそが、それぞれのブランドが持つ「おいしさのヒミツ」であり、使いやすさへの工夫が隠されています。本記事では、両者の重さに関する設計思想を深掘りし、あなたの料理スタイルや体力に合わせた最適な鍋を見つけるための具体的な判断材料を提供します。重さの違いを理解すれば、あなたのキッチンにぴったりの一品が見つかるはずです。
ストウブ ル・クルーゼ 重さの秘密:購入前に知りたい設計の違い
両ブランドとも、重さが料理の味を決める重要な要素だと認識しています。しかし、その重さへのアプローチは対照的です。ストウブは「肉厚なボディ」で重さを追求し、ル・クルーゼは「フタの軽量化」で使いやすさを両立させています。
※内容・条件は変更される場合があります。詳細は必ず公式ページをご確認ください。
ストウブの重さは「肉厚ボディ」が生む最高の蓄熱性と耐久性
ストウブの鋳物鍋が他ブランドと比較してやや重いのは、その肉厚なボディ構造が理由です。この厚みは、単に重くなるためではなく、最高の蓄熱性と均一な熱伝導を実現するために不可欠な設計です。
熱をしっかり溜め込み、弱火でも鍋全体にムラなく伝えるため、煮込み料理は素材の芯まで火が通り、まろやかな味わいに仕上がります。さらに、高い保温性は余熱調理を可能にし、食卓に出しても料理を熱々に保つというメリットもあります。この肉厚さこそが、ストウブの高い耐久性も支えているのです。
ル・クルーゼの軽やかさは「フタの軽量化」と「スチームコントロール」で実現
ル・クルーゼも鋳物鍋の重さが保温性や蓄熱性を高める秘密だと認識しつつ、日常の使いやすさに配慮しています。その工夫の最たるものがフタの軽量化です。一般的な鋳物鍋のフタと比べ、約1/3の重さに抑えることで、重さによる負担を軽減しています。
一方で、フタには「スチームコントロール」機能が備わっており、3カ所の突起からゆっくり均一に蒸気を逃がすことで、うまみを凝縮させながら吹きこぼれを防ぐ設計です。
重さの違いが影響する得意な料理ジャンルの傾向
重さへのアプローチの違いは、両ブランドの得意な料理ジャンルにも影響します。ストウブは、肉厚ボディと重いフタによる高い密閉性・蓄熱性を活かし、無水調理や、時間をかけて煮込む本格的な煮込み料理で真価を発揮します。
食材の持つ水分や旨味を最大限に引き出したい場合に最適です。対してル・クルーゼは、本体の蓄熱性を保ちつつフタが軽量なため、揚げ物や炊飯、そして頻繁に蓋を開け閉めする日常の幅広い調理において、より快適に使用できます。どちらを選ぶか迷う場合は、一番よく作る料理を基準に考えると良いでしょう。
サイズ別比較:ストウブとル・クルーゼの具体的な重さデータ
ストウブとル・クルーゼを比較する上で最も重要となるのが、この具体的な重量データです。ル・クルーゼの定番「シグニチャー ココット・ロンド」とストウブの「ピコ・ココット ラウンド」を比較すると、一見同じサイズでも重さと容量が異なります。
| サイズ (直径) | ル・クルーゼ(シグニチャー)の重さ (容量) | ストウブ(ピコ・ココット)の重さ (容量) |
| 18cm | 2.6kg (1.8L) | 2.87kg (1.7L) |
| 20cm | 3.1kg (2.4L) | 3.60kg (2.2L) |
| 22cm | 3.8kg (3.3L) | 3.81kg (2.6L) |
| 24cm | 4.3kg (4.2L) | 4.74kg (3.7L) |
このデータから、22cmがほぼ同等の重さ(ストウブ 3.81 kg vsル・クルーゼ3.8 kg)である一方、その他のサイズではストウブの方が重い傾向にあることが分かります。
特に、最も汎用性の高い20cmでは約500gの差があり、この重さの違いが日常の持ち運びや洗浄時の負担に直結します。ご自身の体力と、頻繁に使うサイズを照らし合わせて検討してみましょう。
まとめ:ご自身の使い方と体力に合わせて重さの「意味」を選ぼう
ストウブとル・クルーゼの「重さ」は、それぞれが持つ魅力と直結しています。
ストウブは、その重さを「おいしさ」と「耐久性」のために最大限に活かした設計です。ル・クルーゼは、重さによる蓄熱効果を保ちつつ「使いやすさ」を追求した工夫が凝らされています。
どちらの重さにもメリットがあり、購入の決め手は「あなたが何を最優先するか」にかかっています。重さの負担と、それがもたらす料理のメリットを天秤にかけ、あなたのライフスタイルに最適な鋳物ホーロー鍋を選んでくださいね。
