アクアリストの皆さんは、水槽のろ過能力を高め、より長期的に安定した水質を維持したいと考えるはずです。
その際、高性能な外部フィルターとして定評のあるエーハイム2217を、標準的な60cm水槽(約57〜60リットル)に導入できるのか疑問に思うかもしれません。
スペックだけを見ると、その強力さゆえに躊躇してしまいますが、結論から言うと、いくつかの対策を講じれば「あり」です。
この記事では、なぜ2217が60cm水槽にとって魅力的であり、懸念される強力な水流にどう対処すべきか、具体的な方法を解説します。
エーハイム2217 60cm 水槽に導入するメリットとデメリット
エーハイム2217は、そのシンプルな構造と静音性、そして高い耐久性で長く愛されているクラシックシリーズの大型モデルです。適合水槽(目安) 90~150㎝水槽(約101~345ℓ)という水槽に導入することで得られる恩恵は大きいですが、そのポテンシャルの高さゆえの注意点も存在します。
導入を検討している方が知っておくべき、メリットとデメリットを見ていきましょう。
※内容・条件は変更される場合があります。詳細は必ず公式ページをご確認ください。
公式スペックから見る2217の「真の能力」
エーハイムの公式情報によると、クラシックフィルター2217は、およそ101リットルから最大345リットルの水槽サイズを対象として設計されています。
標準的な60cm水槽(約57〜60リットル)で考えると、処理能力の指標となるポンプ性能(最大流量)は1000L/hと非常に強力です。
本体寸法(外寸)は約(W)235×(D)×205×(H)390mmと、60cm水槽用のキャビネット内に設置できるかどうかの確認も重要です。
また、ホース径は吸水側が16/22mm、排水側が12/16mmとなっており、パイプ径の太さからもその高い流量能力が伺えます。
60cm水槽で2217を選ぶ最大のメリット「大容量ろ材」の力
2217を導入する最大の魅力は、その大きなろ過槽容量(約6.6リットル)にあります。ろ過槽が大きいということは、それだけ多くのろ材を詰め込めるということです。
特に生物ろ過を担う高性能なろ材を大量に使用することで、バクテリアの定着量を飛躍的に増やし、水質の変動に対して極めて安定した環境を築くことができます。
小型のフィルターでは得られない、この「水質の安定性」こそが、2217を60cm水槽で採用する一番の理由となり、長期的なメンテナンス頻度の軽減にもつながります。
必須対策!デメリットは強力すぎる水流
最大流量1000L/hをそのまま60cm水槽で使うと、強い水流が発生します。この問題を解決する最も一般的な方法は、シャワーパイプを壁に向けて排出することで、水が壁に当たるエネルギーを利用して水流を弱める工夫も有効です。
水草や生体の種類に合わせて、水流が穏やかになるように調整してください。
このようなシャワーパイプを使うと水流を効果的に和らげることが可能です。
まとめ:エーハイム2217はありだけど対策は必要
エーハイム2217は、たしかに60cm水槽にとってはオーバースペックなフィルターです。しかし、そのろ過能力と大容量のろ過槽は、水質の長期安定化という目標においては大きなメリットとなります。
適切な水流調整を行うことで、強力すぎる水流の問題は十分に解決できます。
特に、頻繁な水替えやメンテナンスを減らして、水草や生体が健全に育つ環境を長く維持したいと考えるアクアリストにとって、2217は信頼できる「長く使える」機材の選択肢と言えるでしょう。
