この記事では、アクアリウムの必須アイテムであるエアーポンプとフィルターの違いについて、それぞれの役割や仕組みを初心者にも分かりやすく解説します。
さらに、あなたの水槽環境に最適な器具の選び方や、両方が必要なケースについても具体的に説明し、失敗しないためのポイントを網羅しました。
「まずはエアーポンプとフィルターの役割の違いを正しく理解したい」なら、この記事をじっくりお読みください。
エアーポンプとフィルターの違いを徹底解説!【知らないと損する】役割と仕組み
アクアリウムを始めようと思ったとき、「エアーポンプ」と「フィルター」、どちらも必要そうで何が違うのか分かりにくいですよね。
見た目も用途も異なるこれらの器具は、水槽環境を維持するために、それぞれ全く別の重要な役割を担っています。
もし、この違いを理解せずに間違った選択をしてしまうと、魚が弱ってしまったり、水がすぐに汚れて頻繁な水換えが必要になったりと、せっかくのアクアリウムが楽しめなくなってしまうかもしれません。
この章では、それぞれの役割と仕組みを徹底的に解説します。
エアーポンプとフィルターの役割
エアーポンプとフィルターの違い。
エアーポンプの役割は、チューブの先から出る気泡は、泡で水面を揺らすことによって、酸素を水中に供給する役割を担っています。
また、泡が昇るときに水流を起こし、水を動かく役割も担っています。
一方、フィルターは、魚のフンや食べ残しを物理的にろ過する物理ろ過と、バクテリアによってアンモニアなどを、無害な物質に分解して水を綺麗にする生物ろ過を担っています。
では、それぞれ詳しく見ていきましょう。
エアーポンプの主な役割
エアーポンプは、空気をチューブを通して水槽内に送り込む装置です。
先端にエアーストーンをつけると、細かい泡となって水中に放出されます。
ここで勘違いしやすいのは「泡そのものが溶け込む」という考え方です。
しかし、実際には泡が水面を揺らし、水と空気の接触を増やすことが主な効果と言われています。これによって空気中の酸素が水に溶け込みやすくなります。
また、泡が水底から水面に向かって上昇することで、自然な水流が生まれます。
これにより水槽内の水がよどむのを防ぎ、水温や溶存酸素の分布を均一に保つことができます。
このようにエアーポンプは、酸素供給と水の循環という2つの大切な役割を担っています。
フィルターの主な役割
フィルター(ろ過装置)は、アクアリウムの心臓部ともいえる重要な装置です。
水を物理的・生物的に綺麗に保つことで、水換えの頻度を減らし、生き物が快適に暮らせる環境を維持します。
フィルターの「ろ過」には、大きく分けて3つの種類があります。
- 物理ろ過: フンや食べ残し、枯れた水草の葉といった目に見える大きなゴミを、フィルター内のマットやスポンジでこし取る役割です。
- 生物ろ過: 魚のフンや尿から発生する、生き物にとって猛毒な「アンモニア」を、フィルター内のろ材に住み着いた「ろ過バクテリア」の力で、毒性の低い「亜硝酸」、さらに無害な「硝酸塩」へと分解します。
- 化学ろ過: 活性炭などの吸着ろ材を使い、水の黄ばみやニオイの原因となる微細な有機物や、流木から出るアクなどを分子レベルで吸着して取り除くろ過です。
この3つのろ過機能によって、フィルターは水槽の水を常にクリーンな状態に保っているのです。
一体型もある?投げ込み式フィルターのメリット・デメリット
「じゃあ、両方の機能を持った便利なものはないの?」と思う方もいるでしょう。
実は、それに近い役割を果たすのが「投げ込み式フィルター(ぶくぶくフィルター)」です。
これは、エアーポンプに接続して使うタイプのフィルター。
装置の下から入る空気が上昇する力を利用して水をフィルター内に引き込み、スポンジやろ材でろ過する仕組みです。
1台で酸素供給(エアレーション)と、ろ過(物理・生物)を同時に行えるのが最大のメリットです。
- 設置が簡単で、価格も手頃。
- 酸素供給とろ過を同時に行える。
- 構造がシンプルで故障が少ない。
- 稚魚や稚エビが吸い込まれる心配が少ない。
- 他のフィルター方式に比べて、生物ろ過能力はやや劣る。
- 水槽内で場所を取り、見た目が気になる場合がある。
- エアーポンプの作動音が気になることがある。
小型水槽や、魚の数が少ない飼育環境では非常に有効な選択肢です。
エアーポンプとフィルターの違いを理解したあなたへ|知っておきたいフィルターの種類
エアーポンプ、フィルター、それぞれの役割の違いをご理解いただけたかと思います。
さて、次のステップは、数ある「フィルター」の中から、あなたの理想のアクアリウムに最適なものを選ぶことです。
実はフィルターには、大きく分けて2つのタイプが存在します。
それは「エアーポンプの力を借りて動くタイプ」と「それ自体にモーターが付いている独立タイプ」です。
それぞれの特徴を知ることで、なぜこのフィルターが選ばれるのか、自分の水槽にはどちらが合っているのかが明確になります。
エアーポンプとセットで使うフィルター3種類【エアリフト式】
まずご紹介するのは、エアーポンプと接続してろ過する「エアリフト式」と呼ばれるフィルターです
構造がシンプルで安価、そして酸素供給とろ過を同時に行えるのが大きな魅力です。
1. 投げ込み式フィルター(ぶくぶくフィルター)
昔ながらの金魚鉢に入っている「ぶくぶく」でお馴染みのタイプです。エアーの力で水をフィルター内部に吸い込み、砂利や活性炭、スポンジなどでゴミをこし取り、同時に水を綺麗にするバクテリアの住処にもなります。設置が非常に簡単で、稚魚が吸い込まれる心配も少ないため、繁殖用の水槽や小型水槽で絶大な人気を誇ります。
2. スポンジフィルター
スポンジそのものが「ろ材」となるフィルターです。エアーの力で水流を起こし、スポンジに水を通すことで、物理ろ過と生物ろ過を同時に行います。特に、スポンジの広大な表面積には大量のろ過バクテリアが定着するため、見た目以上に生物ろ過能力が高いのが特徴です。
3. 底面フィルター
水槽の底に敷く「砂利」や「ソイル」そのものを、まるごと巨大なろ材として利用する画期的な方式です。底に敷いたフィルタープレートからパイプが伸びており、エアーの力で底砂を通して水を汲み上げます。
単体で機能するモーター付きフィルター3種類【ポンプ式】
次にご紹介するのは、フィルター本体に水中モーターやポンプが内蔵されており、エアーポンプがなくても単独で水を循環・ろ過できるタイプです。
1. 外掛け式フィルター
水槽のフチに引っ掛けるだけで使える、最も手軽なフィルターです。モーターで水を吸い上げ、専用のろ材カートリッジを通してろ過し、滝のように水を水槽内に戻します。設置もメンテナンスも非常に簡単で、初心者の方が最初に手にするフィルターの代表格です。
2. 外部式フィルター
水槽の外(主に水槽台の中)にフィルター本体を設置し、2本のホースで水槽と接続するタイプです。本体の密閉された容器(キャニスター)の中に大容量のろ材を詰められるため、非常に高いろ過能力を誇ります。
3. 上部式フィルター
水槽の上に設置する、大きな箱型のフィルターです。ポンプで汲み上げた飼育水を、上からシャワーのようにろ材全体に降り注がせる構造になっています。常にろ材が空気に触れているため、ろ過バクテリアの活動が非常に活発になり、特に生物ろ過能力に優れています。水を汚しやすい金魚や大型魚の飼育において、絶大な信頼を得ている方式です。
結局どれがいい?目的別おすすめフィルターの組み合わせ
これまでの情報を元に、具体的な目的や飼育スタイルに合わせたおすすめの組み合わせをご紹介します。
これが正解というわけではありませんが、フィルター選びの参考にしてください。
おすすめ:外掛け式フィルター +エアーポンプ
理由:魚の数が増えたり、夏場の高水温で酸欠が心配になったりした時に、エアーポンプを追加すれば万全の体制が整います。
- おすすめ:外部式フィルター +(夜間のみ)エアーポンプ
理由:水槽内がスッキリするため、レイアウトの自由度が高まります。CO2を添加する日中はエアレーションを止め、水草が酸素を消費する夜間だけエアレーションを行うことで、理想的な環境を維持できます。
- おすすめ:上部式フィルター + 投げ込み式フィルター
理由:水を汚しやすく酸素消費量も多い魚には、生物ろ過能力の高い上部式フィルターが最適です。さらに補助として投げ込み式フィルターを追加することで、ろ過能力と酸素供給を強化でき、盤石の飼育環境が完成します。
まとめ
今回は、エアーポンプとフィルターの基本的な違いから、それぞれの役割に応じた具体的なフィルターの種類までを深掘りして解説しました。
どちらも特徴があり、必要は器具という事は理解できたと思います。
もうあなたは、ただ商品を眺めるだけでなく、自分の理想を実現するための「武器」として選ぶことができるはずです。
あなただけのアクアリウムに最適な一台を見つけ、生き生きとした魚たちが泳ぐ癒やしの空間を創造してください。