エーハイムのクラシックフィルター2215は、その信頼性と、水槽の横にあっても気にならない特筆すべき静音性から、外部フィルターの定番としてアクアリストに愛され続けています。
2215のポンプ性能は、50Hzで500 L/h、60Hzで620 L/h(いずれも理論値)という十分な流量を持っています。しかし、この能力をフルパワーで引き出すには、限られたろ材スペースをどう使うか。
この記事では、2215の水質安定とメンテナンスを実現する、ろ材構成の戦略をお伝えします。
【注意】この構成はあくまで「提案の一つ」であり、水槽環境や生体の状況に合わせて最適なろ材は変わります。自己責任で調整を行ってください。
エーハイム2215 ろ材でおすすめは?4.0L容量を満たすヒント
エーハイム2215が持つ50Hzで500 L/h、60Hzで620 L/h(いずれも理論値)の流量と静かな運転という特徴があります。それを安定して動かすために絶対に避けたいのがフィルター内部の目詰まりです。目詰まりはポンプに負担をかけ、静音性を損ないます。
これを解決するろ材構成の基本は、「ろ過の主役は生物ろ過!」という考え方。ろ過槽の70%〜80%をバクテリアの住処である生物ろ材に充てるのが定番とされています。
| ろ過タイプ | 目標容積 (L) | 目標比率 |
| 生物ろ過 | 2.8 L – 3.2 L | 70% – 80% |
| 物理ろ過 | 0.4 L – 0.8 L | 10% – 20% |
【超重要】どのような組み合わせがあるのか
エーハイム2215の4.0L容量を最大限に活かすためには、ろ過バクテリアの「家」となる高性能生物ろ材を主軸に据えることが重要です。
- 粗目フィルターパッド(初期ろ過層):フィルターの最下層(吸水直後)は、ウールマットやスポンジに相当する粗目フィルターパッドを配置します。水が最初に触れる場所であり、大きなゴミやフンをキャッチする初期の物理ろ過の役割を担います。
- エーハイムメックやセラ シポラックス (水流分散層):初期ろ過を終えた水が次に通過する層であり、エーハイムメックやセラ シポラックスといったリング状ろ材を配置します。この層は、物理ろ過と水流を均一に分散させる役割を担い、次の主軸となるろ材の目詰まりを防ぎ、ろ過効率を最大限に引き上げます。
- エーハイム サブストラット プロ (生物ろ過の核):ろ過槽の容量の大部分を占める生物ろ過の主軸です。エーハイム サブストラット プロは、多孔質構造で安定したバクテリア定着能力を持つ高性能ろ材であり、この層で水質を根本的に安定させます。
- ウールマット(最終仕上げ層):水がポンプに送られる直前には、ウールマット(細目フィルターパッド)を配置します。これは、微細な粒子やバクテリアの剥離を防ぎ、水を最終的に磨き上げ、ポンプインペラーを保護する役割を担います。
メンテナンスが激減!「外部プレフィルター」という選択
4.0Lの貴重な容量を物理ろ過で浪費しないため、外部プレフィルターの導入という選択肢もあります。吸水パイプ側にスポンジフィルターやプレフィルター取り付ければ、大きなゴミは外部でキャッチできます。
これにより、フィルター内部の粗目パッド(層1)の負担を減らすことができ、本体掃除の回数を減らすことができます。
目的別!2215を最強にカスタムする「ろ材構成レシピ」
あなたの水槽タイプに合わせて、ご指示の層構造に基づいた具体的なろ材の組み合わせをご紹介します。ろ材は下(吸水)から上(出水)の順に詰めます。
推奨レシピ:水草水槽特化
おすすめ商品一覧
水草に必要な微量元素を除去せず、水の高い透明度と安定性を目指す構成です。
| 層 (下 → 上) | ろ材タイプ | 概算容積 (L) | 概算 % |
| 1 (初期ろ過) | 粗目フィルターパッド | 0.2 L | 5% |
| 2 (水流分散) | エーハイムメックやセラ シポラックス | 0.8 L | 20% |
| 3 (生物ろ過核) | エーハイム サブストラット プロ | 2.8 L | 70% |
| 4 (最終ろ過) | ウールマット(細目フィルターパッド) | 0.2 L | 5% |
【オプション】南米水草向け:軟水化の裏技
水草水槽の基本構成は上記で十分ですが、お住まいの地域や水道水の関係で硬度が高めの水槽の場合、南米系の水草や一部の熱帯魚が好む軟水環境に近づけるために、サブストラット プロの上に、ウォーターエンジニアリングの「リバースグレイン」などの軟水調整材を追加するのも有効なオプションです。これにより、水質を理想的な状態に近づけることができます。
2. 推奨レシピ:魚多め・コケ/水質調整対策に
魚が多くて汚れやすい水槽や、コケ、あるいは水質を調整したい水槽に向けた構成です。(※化学ろ材は層3のサブストの上に配置されます。)
| 層 (下 → 上) | ろ材タイプ | 概算容積 (L) | 概算 % |
| 1 (初期ろ過) | 粗目フィルターパッド | 0.2 L | 5% |
| 2 (水流分散) | エーハイムメックやセラ シポラックス | 0.8 L | 20% |
| 3 (生物ろ過核) | エーハイム サブストラット プロ + 水質調整材 | 2.8 L | 70% |
| 4 (最終ろ過) | ウールマット(細目フィルターパッド) | 0.2 L | 5% |
(※化学ろ材・水質調整材のワンポイント:リン酸吸着材(シーケム フォスガード、エーハイム リン酸除去剤など)をコケ対策として使用する場合や、その他の特殊な水質調整材を使用する場合は、必ずネットバッグに入れ、効果がなくなったら忘れずに交換・再生しましょう。
まとめ:2215を最高のパートナーへ進化させよう
エーハイム2215を最高の状態で使い続けるための鍵は、「ろ過の主役は生物ろ過」という原則を貫くことです。
この記事で紹介したろ材構成は、あくまで構成例の一つであり、水槽環境(生体の種類、数、給餌量、水換え頻度など)によっては最適な構成は異なります。必ずご自身の水槽の状態を最優先し、水質チェックを行いながら考えると良いでしょう。
