エーハイムの外部フィルター2213は、高い信頼性を持つ定番製品です。しかし、設置時や清掃後の「呼び水」作業で水が流れないという問題は、多くのユーザーが直面する課題です。
このトラブルを解決するには、「サイフォンの原理」を正しく機能させるための確実な手順とポイントを押さえる必要があります。本記事では、呼び水ができないときに確認すべき主要な原因と、確実に成功させるための具体的な手順を解説します。
エーハイム 2213 呼び水ができない主要原因と確認事項
エーハイムの外部フィルターは構造がシンプルですが、呼び水には確実な準備が求められます。水がスムーズに流れない原因は、ほとんどの場合、接続不良や設置ミスなど、サイフォン現象を妨げる基本的な要素が関係しています。落ち着いて、以下のチェックポイントを順に確認していきましょう。
フィルターと水槽の高さ:位置関係の必須条件
呼び水不良の主要因の一つは、物理的な設置条件が満たされていないことです。サイフォンの原理を機能させるためには、「フィルター本体を水槽よりも必ず低い位置」*に設置することが不可欠です。本体が水槽と同じ高さ、またはそれより高い位置にある場合、重力が働かず水は流れてきません。
作業を開始する前には、安全のため必ず電源プラグを抜いておいてください。特に初回設置時など、フィルターケース内が空の状態であることが、作業を成功させるための基本条件です。
ホースとダブルタップの接続部における空気の侵入防止策
ホースやパイプの接続箇所にわずかな隙間があるだけで、呼び水は失敗します。以下の項目を確実に確認してください。
- 吸水口(ストレーナー): 水中に十分に浸っているか。
- ホースの状態: 途中で潰れたり、極端にねじれたりしていないか。
- ダブルタップ: コックは確実に「開」の状態になっているか。
- パイプ接続位置: 給水側ホースは本体の下側(給水口)に、排水側ホースは本体の上側(排水口)に正しく接続されているか。
これらの接続が完璧であることを再点検することが、呼び水成功への確実なステップです。
スターターに頼らない確実な呼び水実行手順
接続チェックが完了したら、いよいよ水の呼び込み作業です。基本的な方法は、電源を抜いた状態で、排水パイプの先端から空気、または水を吸い込むことです。これにより、フィルターケース内に水槽の水が満たされていきます。
口で吸うことに抵抗がある場合や作業に慣れていない場合は、専用のスターター(別売)を使用することで、ポンプ操作のように安全かつ容易に水を呼び込むことができます。
水がスムーズにフィルター内に溜まり、排水パイプから空気の排出が止まったら、呼び水完了の合図です。電源を入れる前に、モーターヘッドがフックで確実に固定されていることを必ず確認してください。
メンテナンス後の再稼働時に注意すべき「残り水」の問題
フィルター清掃後の再設置時に呼び水でつまずくケースがあります。これは、ケース内に残った水や汚れが、サイフォンのスムーズな働きを妨げることが原因です。
水がなかなか出てこない場合は、一時的な対処法として、排水パイプの先端をフィルター本体と同じくらいの高さまで下げることで、流れが改善することがあります。それでも水が回らない場合は、一度フィルターケース内や配管内の水を完全に抜き、空にしてから再チャレンジを試みてください。
まとめ:確実な呼び水で安定したアクアリウム環境を実現
エーハイム2213の呼び水作業は、手順さえ守れば確実に行えます。成功の鍵は「適切な設置位置」と「接続部からの空気の侵入を防ぐこと」の2点に集約されます。
作業完了後、電源を入れてフィルターを始動させた際に異常な異音(カラカラ音など)が聞こえる場合、モーターヘッドに空気が残っている可能性があります。
この場合は、本体を軽く揺らして空気を抜いてください。これらのポイントを押さえて、安定したアクアリウム環境を維持しましょう。
